映画『斉木楠雄のΨ難』ネタバレなし感想・評価|山崎賢人が「真顔」でボケ倒し、橋本環奈が「変顔」で絶叫する。福田雄一ワールド全開の文化祭【レビュー】
「普通に生きたい」最強の超能力者・斉木楠雄の願いは、変人クラスメイトたちによって打ち砕かれる。週刊少年ジャンプの人気ギャグ漫画を、福田雄一監督が実写化。97分間、ひたすらボケとツッコミが続く耐久レース。
開始1分で「あ、これ考えるのやめよう」と悟る
冒頭、山崎賢人演じる斉木楠雄が、無表情で淡々と自分の能力(テレパシー、念力、透視など)を説明するシーン。 そのテンションの低さと、周囲の騒がしさのギャップ。 「ああ、これは頭を使ってはいけない映画だ」と脳が理解しました。
ストーリーなんてあってないようなものです。 文化祭を無事に終わらせたい斉木と、それを邪魔する(本人たちに悪気はない)クラスメイトたちの攻防戦。 それだけです。 でも、その「中身のなさ」こそが、この映画の最大の武器。 疲れている時に、重厚な人間ドラマなんて見たくないですよね? ただただ、画面の中で美男美女が変なことをしているのを眺める。 これぞ、究極の「デジタル合法ドラッグ」です。
橋本環奈の「鼻の穴」まで愛おしい
「1000年に一人の美少女」橋本環奈。 彼女が演じる照橋心美は、自分が美少女であることを自覚し、世界は自分中心に回っていると信じている最強のナルシスト。 その内面の黒い声(「おっふ!」と言わせたい執念)と、表面の天使のような笑顔の使い分けが凄まじい。
特に、口を大きく開けて驚いたり、白目を剥いたりする変顔の数々。 「アイドル映画」の枠を軽く飛び越えています。 ここまで振り切ってくれると、もはや清々しい。 彼女を見るためだけに再生ボタンを押す価値は十分にあります。
吉沢亮の「中二病」演技が国宝級
そして、もう一人のMVPは間違いなく吉沢亮(海藤瞬役)です。 「漆黒の翼」という設定(妄想)に生きる中二病キャラ。 あの端正な顔立ちで、本気で痛いセリフを叫び、謎のポーズを決める。 その動きのキレが無駄に良すぎて、腹がよじれるほど笑いました。
| 評価項目 | 評価 |
|---|---|
| 再現度 | 衣装はコスプレレベル |
| ギャグの密度 | 過密 |
| キャストの顔面偏差値 | 東大級 |
【解説】 山崎賢人、橋本環奈、吉沢亮、賀来賢人。 今の日本映画界を背負うトップスターたちが、全力で高校生の悪ふざけをやっています。 まるで豪華な学芸会。 でも、その「学芸会感」こそが福田監督の狙いでしょう。 衣装もあえて安っぽく(ピンクの髪とか)、セットも書き割り感がある。 「これはフィクションですよ、コントですよ」というメタ的なメッセージを感じます。 真面目に映画としてのクオリティを問うのは野暮というもの。
ムロツヨシ&佐藤二朗の「尺稼ぎ」
福田組の常連、ムロツヨシと佐藤二朗も当然出てきます。 そして、当然のようにアドリブで暴れまわります。 正直、「長いよ!」と言いたくなるシーンもあります。 特にマジックショーのくだりとか。
でも、山崎賢人が素で笑いそうになっているのを我慢している顔を見ると、現場の楽しさが伝わってきて、なんとなく許せてしまう。 「ああ、こいつら本当に楽しんで作ってるんだな」と。 その「内輪ノリ」を楽しめるかどうかが、この映画の評価の分かれ目でしょう。 私は悔しいですが、笑ってしまいました。
結論:IQを2くらいに下げて観るべき
この映画に感動や教訓を求めてはいけません。 見終わった後、「時間の無駄だったな(笑)」と笑顔で言えるような作品です。 でも、その「無駄な時間」こそが、忙しい現代人には最高の贅沢なのかもしれません。
日曜日の夜、明日から仕事で憂鬱な時。 難しいことを考えたくない時。 スナック菓子とコーラを用意して、だらっと寝転がりながら観てください。 97分後、あなたの悩みはどうでもよくなっているはずです(解決はしませんが)。
作品情報

小林 祐太
TV60編集長。脚本構造と映像技術の分析に基づいた『構造批評』を得意とする。ガジェットレビューでは、スペック数値よりも『生活への定着度』を重視し、最低1ヶ月以上の実使用を経た上での評価を徹底している。
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