HOME/CINEMA/ 2026-01-18

映画『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!FILE-02 震える幽霊』ネタバレなし感想・評価|幽霊もドン引き?工藤Dの暴力が加速する【レビュー】

映画『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!FILE-02 震える幽霊』ネタバレなし感想・評価。廃墟に現れる「震える幽霊」を検証するはずが、工藤Dの理不尽な暴力が投稿者にも向けられる。シリーズ屈指の「人間が怖い」回。

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SCORE
RANKB

60秒で結論買うべき?観るべき?

GOOD

工藤Dのクズっぷりが天井知らず。夜の廃墟というロケーションの怖さ。

BAD

投稿者たちの演技が少し気になるかも。後味が悪い(褒め言葉)。

幽霊より怖いのは、キレたおじさんでした

前作で口裂け女を車で轢こうとした工藤D。 今回は、幽霊が出るという廃墟に向かいます。

「まあ、今回は相手が幽霊だし、物理攻撃は無理だろう」 そう思っていました。甘かったです。

今回の工藤Dの敵は、幽霊だけではありません。 「ウジウジした投稿者」たちにも牙を剥きます。 脅す、殴る、無理やり連れ回す。 もはや取材ではなく、ただのパワハラ、いや傷害事件です。

「幽霊を撮るためなら何でもする」 その狂気は、幽霊の存在すら霞ませてしまいます。 怯える一般人を怒鳴りつけ、無理やり廃墟の奥へと進ませる姿は、悪霊よりもタチが悪いです。

廃墟×心霊現象=王道のJホラー

工藤Dの暴走ばかりに目が行きますが、ホラーパートもしっかり怖いです。 夜の廃墟。 懐中電灯の明かりだけを頼りに進むPOV(主観映像)。 そして、暗闇に浮かび上がる「震える幽霊」。

この幽霊の動きが、生理的に気持ち悪い。 タイトル通り、小刻みに高速で震えているのですが、それが「この世のものではない」感を強烈に演出しています。 ただ立っているだけなのに、その「異常な振動」だけで恐怖を感じさせる。 低予算ながらアイデア勝利の演出です。 音響効果も相まって、夜中に一人で見るとトイレに行けなくなるレベルです。

BEYOND THE 60 SECONDSここから先は、深掘りレビュー。
Technical Review

投稿者たちとの「地獄の共同作業」

今回のゲスト(被害者)は、肝試しに来た若者たち。

評価項目評価
投稿者のウザさ絶妙にイラつく
工藤Dの沸点常にMAX
市川さんの冷遇今回も体を張らされる

【解説】 ホラー映画あるあるの「勝手な行動をする若者」が登場します。 普通なら視聴者がイライラするところですが、安心してください。 工藤Dが代わりに制裁を加えてくれます。 むしろ「やりすぎだろ!」と止めたくなるほどに。

特に、除霊師の「夕子」さんを含めた人間関係のドロドロも見どころ。 怪異の背景にある人間の業や狂気。 それが明らかになった時、物語は予想外の方向へ転がっていきます。

「異界」への入り口が開く

本作の重要なポイントは、「コワすぎ!」の世界観が拡張されたことです。 単なる幽霊退治ではなく、別の次元、別の世界への干渉が示唆されます。

「先生」と呼ばれる謎の存在。 物理法則がねじ曲がる空間。 空に浮かぶ奇妙な物体。 シリーズを通して描かれる「大きな謎」の断片が、ここに散りばめられています。

この「日常が徐々に浸食されていく感覚」は、白石監督が得意とするコズミック・ホラー(宇宙的恐怖)の入り口です。 ただの心霊ドキュメンタリーだと思っていたら、いつの間にか世界の理(ことわり)に触れていた。 そんなスケールの広がりを感じさせます。

ラストの「アレ」は何だったのか

結末は、賛否両論あるかもしれません。 「え、どういうこと?」とポカーンとする人もいるでしょう。

しかし、その「訳のわからなさ」こそがコワすぎ!の真骨頂。 説明不能な現象を、説明不能なまま投げ出される恐怖。 そして、それでもカメラを回し続ける田代の執念。 「撮れ! 撮れぇ!」と叫ぶ工藤Dの声が耳に残ります。

このラストがあるからこそ、次作『人喰い河童伝説』への期待が高まるのです。 投げっぱなしジャーマンのようなラストですが、その衝撃は確実に脳を揺らします。

結論:パワハラ・ドキュメンタリーの傑作

もし、あなたの職場に工藤Dのような上司がいたら、即座に労基署へ行ってください。 しかし、画面越しに見る分には、これほど面白いエンターテインメントはありません。

理不尽な暴力と、理不尽な怪異の正面衝突。 その交通事故のような惨劇を、安全な場所から高みの見物といきましょう。 ただし、廃墟に行くのだけは絶対にやめておいた方がいいです。 工藤Dはいませんから。

作品情報

時間72分
視聴難易度低い
家族向け要確認
配信Amazon Prime
小林 祐太
WRITTEN BY

小林 祐太

TV60編集長。脚本構造と映像技術の分析に基づいた『構造批評』を得意とする。ガジェットレビューでは、スペック数値よりも『生活への定着度』を重視し、最低1ヶ月以上の実使用を経た上での評価を徹底している。

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