映画『マッド・ハイジ』ネタバレなし感想・評価|アルプスの少女がアサルトライフルでスイスを浄化する【レビュー】
映画『マッド・ハイジ』ネタバレなし感想・評価。あの国民的アニメの主人公が、独裁者に復讐するため戦士に覚醒!チーズフォンデュ責め、チョコ攻撃…スイスの名産品が凶器に変わるR18娯楽作。
あの名作を汚すな? いえ、これは「解釈違い」の極北です
「ハイジ」と聞いて思い浮かべるのは? 白い雲、長いブランコ、そして「クララが立った!」という感動。
その全てを忘れてください。
この映画のハイジは、 独裁大統領が支配するスイスで、恋人(ペーター)を殺され、 復讐の鬼と化したバーサーカーです。
純真無垢な少女が、筋トレに励み、 ハルバード(斧槍)を振り回して敵兵を真っ二つにする。 この「原作クラッシャー」っぷりが痛快すぎます。
クラウドファンディングで資金を集めたという本作。 世界中の「悪い大人たち」が、 ハイジが暴れる姿を見たいと願った結果です。 人類の業の深さを感じますね。
スイスの名産品をフル活用した処刑方法
この映画の素晴らしい点は、 スイスという国の文化を、徹底的に「武器」として利用しているところです。
敵の拷問に使われるのは、熱々のチーズフォンデュ。 顔面をチーズに押し付けられる恐怖! (美味しそうだけど熱そう)
そして、トブラローネのような三角チョコを使った攻撃。 さらには、アーミーナイフやカウベルまで。
「スイスにはこれがあるでしょ?」という記号を、 すべて殺人の道具に変換するセンス。 観光協会からクレームが来ないか心配になるレベルですが、 同時にスイスへの愛(?)も感じます。
ペーターとクララの扱いが酷すぎる(褒め言葉)
原作キャラの扱いも見どころです。
ペーターは、黒人のヤギ飼いとして登場しますが、 開始早々、闇チーズ取引(どんな罪だ)の容疑で処刑されます。 彼の死が、ハイジ覚醒のトリガーとなるのです。 原作ののんびり屋さんの面影はゼロ。
そしてクララ。 彼女は独裁者の娘として登場します。 ハイジとは敵対する立場かと思いきや…… これ以上は言えませんが、 彼女もまた、この狂った世界で「何か」を解放します。
| キャラクター | 原作とのギャップ | 戦闘力 |
|---|---|---|
| ハイジ | ★★★★★ | 鬼神 |
| ペーター | ★★★★☆ | 即死 |
| クララ | ★★★☆☆ | 未知数 |
【解説】 おじいさん(アルムおんじ)も登場しますが、 ただの頑固ジジイではなく、元レジスタンスの老兵という設定。 家の中に大量の武器を隠し持っている。 「おんじ、何者!?」 この家族、戦闘民族すぎます。
美しいアルプスの風景と、飛び散る血しぶき
映像美に関しては、意外にも高評価です。 スイスでロケを敢行したというだけあって、 アルプスの山々は本当に美しい。
その壮大な大自然の中で、 人間が血まみれになって殺し合う。 この「白と赤」のコントラストが、芸術的ですらあります。
『サウンド・オブ・ミュージック』のオープニングのような絶景で、 繰り広げられるのは『マッドマックス』のような暴力。
脳がバグる感覚を味わえます。
結論:教えておじいさん、血の味がするよ
『マッド・ハイジ』は、 ただのパロディ映画で終わらない熱量を持っています。
独裁政権への反逆、女性の自立、 そして何より「自由」への渇望。
テーマ自体は意外と真面目なのです。 表現方法が著しく間違っているだけで。
原作ファンが観たら卒倒するかもしれません。 しかし、B級アクション映画ファンなら、 この新しいハイジの姿に、喝采を送るはずです。
観終わった後、 チーズフォンデュを食べる手が、少し震えるかもしれません。 それが武者震いか、恐怖かは、あなた次第です。
作品情報

小林 祐太
TV60編集長。脚本構造と映像技術の分析に基づいた『構造批評』を得意とする。ガジェットレビューでは、スペック数値よりも『生活への定着度』を重視し、最低1ヶ月以上の実使用を経た上での評価を徹底している。
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