映画『ウルフ・コップ』ネタバレなし感想・評価|飲めば飲むほど強くなる!アル中狼男ポリスの爽快バイオレンス【レビュー】
映画『ウルフ・コップ』ネタバレなし感想・評価。冴えないアル中警官が狼男の呪いにかかり、豪快なヒーローへと変貌する。80年代風の古き良き特殊メイクと、悪ノリ全開のゴア描写が楽しい快作アクション。
ダメ人間、変身してさらにダメになる(褒め言葉)
「酒を飲むと変身する」 「変身後も警察官としての意識(一応)はある」
この設定の勝利です。 主人公のルーは、アルコール中毒のダメ警官。 朝起きれば二日酔い、勤務中も隠れて一杯、事件現場でもまず一杯。 どうしようもないクズですが、どこか憎めない愛嬌があります。
しかし、狼男の呪いにかかったことで、なぜか街のヒーローとして覚醒します。 変身した姿は、まさに「狼の顔をしたおっさん」。 CG全盛の時代に、あえて着ぐるみと特殊メイクで挑むその姿勢。 80年代のB級ホラーへのリスペクトが溢れていて、思わず胸が熱くなりました。
正義感というよりは、野能と暴力衝動で悪党をぶちのめすスタイル。 見ていて清々しいほどの暴れっぷりです。
笑いとグロの絶妙なバランス
本作はコメディですが、ゴア描写は本気です。 手足は千切れ、血は噴水のように飛び散ります。
でも、不思議と陰湿さはありません。 『死霊のはらわた』のような、笑えるスプラッター。 「やりすぎだろ!」とツッコミを入れながら、ポップコーンを片手に楽しめる明るいバイオレンスです。
特に、変身シーンの「皮が剥けて中から狼が出てくる」描写は必見。 アナログ特撮ならではの「気持ち悪さ」と「凄み」が同居しています。 ここ最近の映画では見かけなくなった、職人芸のようなグロテスクさに拍手を送りたくなります。 トイレで変身するシーン(詳細は伏せますが)は、映画史に残る迷シーンと言えるでしょう。
徹底した「アナログ特撮」へのこだわり
この映画の最大の魅力は、特殊効果(SFX)です。
| 評価項目 | 評価 |
|---|---|
| 変身シーン | 痛みを感じるリアルさ |
| 狼男の造形 | レトロで愛嬌がある |
| ゴア描写 | 手作り感満載で好感触 |
【解説】 最近の映画は安易にCGを使いがちですが、監督のローウェル・ディーンは「着ぐるみと血糊」を愛しています。 変身シーンは、皮膚が裂け、骨が鳴る音が聞こえてきそうなほど生々しい。
でも、完成したウルフ・コップの姿はどこかコミカル。 制服を突き破って変身するのではなく、変身した後もちゃんと制服を着ている(あるいは着直している?)のが可愛らしいです。 パトカーを改造した「ウルフ・モービル」も、中二病全開で最高です。 この手作り感が、観客との距離を縮めてくれます。
アルコールが燃料という斬新な設定
普通のヒーローは、愛や正義を力に変えます。 しかしウルフ・コップは、酒を力に変えます。
変身中に酒をあおるシーンのかっこよさ(とダメさ)。 「シラフだと弱い」という弱点も、彼のキャラクターを魅力的にしています。 相棒となる変人の武器商人もいい味を出していて、彼らのバディムービーとしても楽しめます。 凸凹コンビが事件を解決していく様は、往年のポリスアクションへのオマージュでもあります。
ストーリーは「あってないようなもの」だが、それがいい
町を牛耳る悪の組織、呪いの秘密、日食の儀式……。 プロット自体は、使い古されたB級ホラーの王道です。 驚くような展開は一つもありません。
でも、それでいいんです。 この映画に求めているのは、複雑な伏線回収ではありません。 「狼男が暴れて、悪いやつをやっつける」。 そのカタルシスだけで十分お釣りが来ます。 79分というタイトな尺も、ダレることなく一気に駆け抜けるには最適の長さです。
続編が作られるのも納得の愛されキャラ
実はこの作品、続編『WolfCop 2(Another WolfCop)』も作られています。 それだけ、このキャラクターが愛された証拠でしょう。
単なるイロモノ一発屋で終わらせるには惜しい、不思議な魅力がルーにはあります。 だらしないけど、やる時はやる(主に暴力で)。 そんな昭和の刑事ドラマのような哀愁と、モンスターパニックの融合。 奇跡的なバランスで成立している一本です。
結論:ビール片手に、頭を空っぽにして楽しもう
難しいことを考えたくない夜。 スカッとしたい気分の日。 『ウルフ・コップ』は、最高の相棒になってくれます。
お酒(未成年はコーラ)を用意して、細かいことは気にせず、その暴れっぷりを応援しましょう。 「グロいのは苦手」という人には勧められませんが、80年代ホラーやアクション映画が好きなら、絶対に刺さるはずです。 愛すべきダメ男の、野獣のような活躍を目撃してください。 見終わった後、きっとあなたも遠吠えしたくなるはずです。ワオーン!
作品情報

小林 祐太
TV60編集長。脚本構造と映像技術の分析に基づいた『構造批評』を得意とする。ガジェットレビューでは、スペック数値よりも『生活への定着度』を重視し、最低1ヶ月以上の実使用を経た上での評価を徹底している。
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