映画『テリファー』ネタバレなし感想・評価|言葉を失う残虐ピエロ!全編が閲覧注意のゴア地獄【レビュー】
映画『テリファー』ネタバレなし感想・評価。喋らない、理由もない、慈悲もない。謎の殺人ピエロ「アート・ザ・クラウン」が、ハロウィンの夜に人々を惨殺する。80年代スプラッターへの回帰にして、現代最凶のホラーアイコン誕生。
【閲覧注意】引き返すなら今です
最初に警告しておきます。 この映画は、普通の神経の持ち主が観るものではありません。 「怖い」というより「痛い」。 「驚き」というより「嫌悪」。
ストーリー? ありません。 伏線? ありません。 あるのは、不気味なピエロが、ただひたすらに、執拗に、人体を破壊する映像だけです。
特に中盤の「ノコギリ」のシーンは、ホラー映画史に残るトラウマ映像として、一部界隈で伝説となっています。 あまりの残酷さに、海外の上映会では失神者が出たという噂も。 それでも読む覚悟がある人だけ、先に進んでください。
「アート・ザ・クラウン」という悪夢
本作の唯一にして最大の功績は、殺人鬼「アート・ザ・クラウン」を生み出したことです。
彼は一言も喋りません。 声も出しません(笑い声すら)。 ただ、豊かな表情とパントマイムで、獲物をあざ笑い、嬲(なぶ)り殺しにします。
このキャラクター造形が、悔しいけれど素晴らしい。 『IT』のペニーワイズのような「モンスター」ではなく、あくまで「生身の人間(に見える)」不気味さ。 陽気におどけて見せた次の瞬間に、無表情で銃をぶっ放す。 その予測不能な行動原理が、生理的な恐怖を煽ります。
ダイナーでヒロインをじっと見つめるシーン。 ただ座っているだけなのに、画面から漂う「こいつはヤバい」というオーラ。 役者のデビッド・ハワード・ソーントンの演技力が、このB級映画を芸術の域まで引き上げています。
80年代スプラッターへの歪んだ愛
監督のダミアン・レオーネは、特殊メイクの専門家でもあります。
| 評価項目 | 評価 |
|---|---|
| 特殊メイク | 職人芸レベルのリアルさ |
| 画質 | わざと粗くしたレトロ感 |
| 残酷度 | 限界突破 |
【解説】 CG全盛の時代に、あえてアナログな特殊メイクにこだわっています。 切断面の肉感、血の粘度。 それらが、少しざらついたフィルム風の画質と相まって、80年代のレンタルビデオ店に置いてあった「怪しいホラービデオ」のような雰囲気を醸し出しています。
「人体破壊をいかにリアルに見せるか」 その一点だけに注がれた情熱は、ある種の芸術です(悪魔崇拝的な芸術ですが)。 CGでは出せない「重み」と「湿り気」が、画面全体を支配しています。
意味なんて探すな、感じるな、逃げろ
被害者たちがなぜ狙われるのか? ピエロの目的は何なのか? そんな説明は一切ありません。
ただ運が悪かった。それだけ。 この「理不尽さ」こそが、本作の恐怖の根源です。 因果応報も、正義の勝利もありません。 ただ、圧倒的な暴力がそこにあるだけ。
通常のホラー映画にあるような「ファイナルガール(最後に生き残る少女)」の法則すら、ここでは通用しません。 希望を持たせておいて、絶望の底に突き落とす。 監督の性格の悪さ(褒め言葉)が滲み出ています。
映画的なカタルシスを期待すると、最悪の後味になります。 見終わった後、あなたに残るのは「疲労感」と「吐き気」だけでしょう。
なぜこれがカルト人気なのか?
これほど酷い(褒め言葉)内容なのに、なぜ続編が作られ、全米で大ヒットしてしまったのか。 それは、現代のホラー映画が失ってしまった「純粋な暴力」を求めている層が、一定数存在するからでしょう。
「社会派ホラー」や「考察系ホラー」に対するアンチテーゼ。 「うるせえ! 人が死ぬのが見たいんだよ!」という原始的な欲求に、真正面から応えた結果です。 その潔さが、世界中のホラーマニアの心を掴んで離さないのです。 「面白い」とは言えないけれど、「凄いものを見た」という満足感だけは確実にあります。
結論:混ぜるな危険、観るな危険
もしあなたが、グロテスクな映像に耐性がないなら、絶対に観ないでください。 夢に出ます。 食事も喉を通らなくなります。
しかし、もしあなたが「ジェイソン」や「フレディ」の系譜を継ぐ、新たなホラーアイコンの誕生を目撃したいなら。 そして、自分の精神衛生を犠牲にする覚悟があるなら。 『テリファー』は、避けては通れない通過儀礼となるでしょう。
責任は持ちません。 あなたのハロウィンが、血塗られたものになりますように。 夜道でピエロを見かけたら、迷わず逃げてください。全力で。
作品情報

小林 祐太
TV60編集長。脚本構造と映像技術の分析に基づいた『構造批評』を得意とする。ガジェットレビューでは、スペック数値よりも『生活への定着度』を重視し、最低1ヶ月以上の実使用を経た上での評価を徹底している。
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