HOME/CINEMA/ 2026-01-14

映画『ハッピー・デス・デイ』ネタバレなし感想・評価|死ぬたびに強くなるビッチ女子大生のループ地獄【レビュー】

映画『ハッピー・デス・デイ』ネタバレなし感想・評価。誕生日の夜に殺され、目が覚めるとまた誕生日の朝。死のタイムループに閉じ込められた女子大生が、犯人を突き止めるために「死んで覚える」ホラーコメディ。

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SCORE
RANKA

60秒で結論買うべき?観るべき?

GOOD

主人公のキャラ変が最高。脚本の構成が上手い。怖くないホラー。

BAD

ホラー要素を期待すると肩透かし。犯人の動機が少し弱い。

「死にゲー」を実写化したらこうなる

『恋はデジャ・ブ』×『スクリーム』。 タイムループものとスラッシャーホラーを掛け合わせたら、まさかの「青春成長物語」が生まれました。

主人公のツリーは、典型的な「性格の悪いビッチな女子大生」。 最初は見ていてイライラします。 しかし、彼女は殺されまくります。 ベビーマスクの殺人鬼に、刺され、燃やされ、轢かれ。

そして、ループするたびに彼女は学習し、成長し、そして……強くなります。 「どうせ死ぬなら、行動を変えてやる!」 中盤からの彼女の開き直りっぷりは、見ていて痛快そのもの。 怯える被害者ではなく、怒れるファイターへと変貌していく姿に、いつの間にか感情移入させられていました。 最初は「ざまぁみろ」と思っていたのに、最後には「頑張れツリー!」と応援している。 この感情の変化こそが、本作の魔法です。

ホラーなのに、なぜか元気が出る

この映画の素晴らしい点は、明るさです。 死ぬシーンは何度もありますが、悲壮感はありません。

むしろ、失敗を繰り返しながら正解(犯人特定と生存)を探すプロセスは、ゲームのRTA(リアルタイムアタック)を見ているような楽しさがあります。 「あ、そこ行くと死ぬよ」「次は武器を持っていこう」 そんな感覚で、主人公と一緒に推理に参加できます。

特に、中盤の「死に様モンタージュ」。 アップテンポな曲に乗せて、何度も殺され、何度も目覚めるシーンは爆笑必至。 「死」をここまでポジティブに描いたホラー映画があったでしょうか。

BEYOND THE 60 SECONDSここから先は、深掘りレビュー。
Technical Review

伏線の張り方と回収が見事

単なるコメディではありません。ミステリーとしても秀逸です。

評価項目評価
脚本無駄がなくテンポが良い
伏線小さな違和感が全て繋がる
主演女優表情の幅がすごすぎる

【解説】 ループもの特有の「繰り返しの退屈さ」を回避する編集が見事。 同じ朝の風景が、主人公の心情によって全く違って見える演出も上手い。 1周目では気づかなかった些細なセリフや行動が、2周目、3周目で意味を持ってくる。 「あいつが怪しい」「いや、こっちか?」と、二転三転する犯人探しは最後まで飽きさせません。

そして主演のジェシカ・ロース。 高飛車な女王様から、怯える少女、そして覚悟を決めた戦士まで、くるくると変わる表情が魅力的すぎます。 彼女のコメディエンヌとしての才能が、この映画を何倍も面白くしています。 顔芸のバリエーションだけでも見る価値があります。

意外と泣ける「家族」の話

ただ犯人を探すだけではなく、ループを通して「自分の人生」を見つめ直す物語でもあります。 疎遠だった父親との関係、ルームメイトへの態度、不倫相手との決別。

「もし、今日が人生最後の日だとしたら、私はこのままでいいのか?」 そんな哲学的な問いかけが、ポップな映像の中に隠されています。 だからこそ、ラストシーンの爽やかさが胸に響くのです。 ホラー映画で涙ぐむとは思いませんでした。 ツリーが父親とランチをするシーン。 ここで見せる彼女の涙は、ループ地獄の中で見つけた「本当の自分」の涙なのです。

カーターという最高の癒やし

主人公を支える男子学生、カーターの存在も忘れてはいけません。 彼はループの記憶を持っていませんが、毎回ツリーを信じ、励ましてくれます。 「君ならできる」 彼の一言が、絶望しそうになるツリーの支えになる。 ホラー映画なのに、キュンとする青春ラブコメの要素もしっかり入っています。 「いい奴」の定義を具現化したような彼に、全視聴者が惚れるでしょう。

続編『2U』もセットで観るべし

本作が気に入ったら、続編の『ハッピー・デス・デイ 2U』も必見です。 なんと、ジャンルが「SF」に変わります。 ホラー要素はさらに減り、感動と笑いが増量。 1作目の伏線をさらに回収するという離れ業をやってのけています。

この2作セットでの完成度の高さは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』級と言っても過言ではありません(言い過ぎかもしれませんが、それくらい面白い)。 ぜひ、週末に2本続けてイッキ見してください。

結論:ホラー初心者への最高の入門書

「グロいのは無理」「怖いのは嫌」 そんな人にこそ、この映画を勧めたい。

怖がらせるためではなく、楽しませるためのホラー。 見終わった後、きっと「明日も頑張ろう」と思えるはずです。 (もちろん、明日殺される予定がなければの話ですが)

カップルで観るもよし、一人で観るもよし。 万人に愛される、B級ホラーコメディの傑作です。 今日という一日を大切にしたくなる、そんな素敵なメッセージを受け取ってください。

作品情報

時間96分
視聴難易度低い
家族向け推奨
配信U-NEXT
小林 祐太
WRITTEN BY

小林 祐太

TV60編集長。脚本構造と映像技術の分析に基づいた『構造批評』を得意とする。ガジェットレビューでは、スペック数値よりも『生活への定着度』を重視し、最低1ヶ月以上の実使用を経た上での評価を徹底している。

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