HOME/CINEMA/ 2026-01-09

映画『シャークトパス』ネタバレなし感想・評価|サメ×タコ=最強!B級モンスターパニックの金字塔【レビュー】

映画『シャークトパス』ネタバレなし感想・評価。サメの頭とタコの下半身を持つ軍事兵器が暴走する。B級映画の巨匠ロジャー・コーマン製作。チープなCGと王道の展開が織りなす、実家のような安心感のある一作。

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SCORE
RANKC

60秒で結論買うべき?観るべき?

GOOD

「サメとタコを合わせる」という発想の勝利。エリック・ロバーツの顔芸。

BAD

CGが粗い。展開がお約束すぎる。登場人物に感情移入できない。

キメラ系サメ映画の「原点」にして「頂点」

今でこそ「頭が2つあるサメ」や「砂浜を泳ぐサメ」は当たり前になりましたが、その潮流を作ったのは間違いなく本作でしょう。 サメ映画の歴史における、産業革命的瞬間です。

「サメの獰猛さと、タコの柔軟性を合わせれば最強じゃね?」 米軍のそんな安直な発想から生まれた生体兵器、S-11(通称:シャークトパス)。

当然のように制御不能になり、当然のようにリゾート地を襲います。 この「様式美」こそ、我々が求めているものです。 水中で泳ぎ、触手で陸に上がり、人間を捕食する。 その万能ぶりを見ていると、なぜか応援したくなってくるから不思議です。 「頑張れシャークトパス! 人類なんて滅ぼしちまえ!」と。

エリック・ロバーツの「仕事を選ばない」プロ根性

主演は、あの大スター、ジュリア・ロバーツの実兄であるエリック・ロバーツ。 かつてはアカデミー賞にノミネートされたこともある名優が、なぜこんな(失礼)映画に?

しかし、彼の演技は手抜きなしです。 マッドサイエンティストとしての狂気と、兵器開発者としての苦悩を、渋い顔で演じきっています。 娘役の女優に対して見せる、歪んだ愛情表現も見どころ。

彼が真剣であればあるほど、画面のシュールさが増していく。 「これがプロの仕事か」と、変な感動を覚えました。 彼のキャリアにおける黒歴史なのか、それとも勲章なのか。答えは観客の中にあります。

BEYOND THE 60 SECONDSここから先は、深掘りレビュー。
Technical Review

意外と理にかなった(?)モンスターデザイン

シャークトパスの造形について、真面目に語ってみましょう。

評価項目評価
デザインキモ可愛いの絶妙なライン
陸上活動触手歩行が意外とスムーズ
捕食方法触手で絡め取るのが新鮮

【解説】 サメ映画の弱点は「陸に逃げられたら終わり」という点ですが、タコの足を付けることでそれを克服しました。 触手を使って建物の壁を登ったり、ビーチパラソルの下でくつろぐ人を襲ったり。 「どこにいても逃げられない」という絶望感(と面白さ)を生み出しています。

CGのクオリティは推して知るべしですが、触手の動きだけは妙にヌルヌルしていてこだわりを感じます。 触手で人間を突き刺したり、絡め取って口に運んだり、食事のマナー(?)もバリエーション豊か。 クリーチャーデザイナーの「ぼくのかんがえたさいきょうのサメ」感が溢れていて微笑ましいです。

ロジャー・コーマン印の「安心感」

本作の製作は、B級映画の帝王ロジャー・コーマン。 彼の作品には、独特の「軽さ」があります。

重厚なテーマとか、社会風刺とか、そんなものはありません。 「モンスターが出た! 人が死んだ! ビキニのお姉ちゃんが逃げた! ドカーン!」 これだけです。 この潔さが、疲れた脳みそには心地いい。 水戸黄門を見るような安心感で、人が食われるシーンを眺めることができます。

特に、美女が無防備に海に入るシーンのお約束感。 「来るぞ、来るぞ……ほら来た!」という伝統芸能のような流れに、実家のような安心感を覚えるでしょう。

シリーズ化された人気者

このシャークトパス、よほど人気が出たのか、後にシリーズ化されています。 『シャークトパス VS プテラクーダ』(プテラノドン×バラクーダ) 『シャークトパス VS 狼鯨』(狼×鯨)

ライバルたちも大概ですが、それらを迎え撃つシャークトパスの貫禄。 もはやゴジラのような「怪獣王」の風格さえ漂っています。 本作はその記念すべき第一作目。 伝説の始まりを目撃するという意味で、資料的価値も高い(かもしれません)。 進化し続けるシャークトパスの勇姿を追いかけるのも、また一興です。

結論:B級映画の「教科書」として

『シャークトパス』は、決して「良い映画」ではありません。 でも、「正しいB級映画」です。

低予算、トンデモ設定、落ち目のスター、水着美女。 全ての要素が黄金比で配合されています。 B級映画初心者への入門編として、これほど適した作品はないでしょう。

「最近、映画を観るのがしんどいな」 そう感じているあなた。 シャークトパスの触手に身を委ねてみませんか? きっと、映画ってこんなに自由でいいんだ、と勇気をもらえるはずです。 週末の夜、ピザとコーラをお供に、頭のネジを外して楽しんでください。

作品情報

時間89分
視聴難易度低い
家族向け要確認
配信Amazon Prime
小林 祐太
WRITTEN BY

小林 祐太

TV60編集長。脚本構造と映像技術の分析に基づいた『構造批評』を得意とする。ガジェットレビューでは、スペック数値よりも『生活への定着度』を重視し、最低1ヶ月以上の実使用を経た上での評価を徹底している。

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