映画『ゾンビアス』ネタバレなし感想・評価|食事中閲覧禁止!JK×排泄物×ゾンビの最悪なマリアージュ【レビュー】
映画『ゾンビアス』ネタバレなし感想・評価。井口昇監督が放つ、スカトロ×ゾンビの異色作。トイレから現れるゾンビ、飛び交う排泄物。人間の尊厳を試される、最低で最高なエンターテインメント。
警告:この映画は「臭い」ます
まず最初に、最大限の警告を。 この映画は、食事中、食前、食後に観てはいけません。 なんなら、体調が悪い時に観るのも危険です。
タイトルから察してください。『ゾンビアス』。 英語タイトルは『Zombie Ass: Toilet of the Dead』。 はい、「お尻」と「トイレ」の映画です。
ゾンビ映画といえば「血」や「内臓」がお決まりですが、本作の主成分は「排泄物」です。 画面から強烈な異臭が漂ってきそうな映像体験。 映画を観ていて「物理的に気持ち悪くなる」という稀有な体験ができます。
井口昇監督の「変態性」が爆発
『片腕マシンガール』や『ロボゲイシャ』で知られる井口昇監督。 彼の作品は常に常軌を逸していますが、本作はその中でも「汚さ」において頂点を極めています。
「美少女がウンコまみれになる」 この一点に、監督の並々ならぬフェティシズムを感じます。 普通ならオブラートに包むところを、あえてド直球で描く。 その潔さは、もはや芸術的……とは言いませんが、ある種の「覚悟」を感じさせます。
しかし、その覚悟を受け止められる観客が、世界に何人いるのでしょうか。 私は途中で3回ほど、画面を直視できずに目を逸らしました。
なぜか全力投球の女優たち
こんな最低な(褒め言葉)脚本なのに、出演している女優陣は本気です。 これが日本のB級映画の恐ろしいところです。
| 評価項目 | 評価 |
|---|---|
| 中村有沙 | 清純派の殻を破りすぎ |
| ゾンビのメイク | 汚い(褒め言葉) |
| アクション | 無駄にキレがある |
【解説】 主演の中村有沙さんは、元てれび戦士。 そんな経歴を持つ彼女が、便器から飛び出すゾンビと戦い、汚物にまみれる姿は、涙なしには見られません(別の意味で)。 「仕事を選んで!」と叫びたくなりますが、彼女の演技は鬼気迫るものがあります。
また、共演の護あさなさんの美貌とナイスバディも、この汚い世界観の中で一服の清涼剤……にはならず、むしろギャップで狂気を際立たせています。 彼女たちが真剣であればあるほど、画面のシュールさが増していく。 この「ズレ」こそが、井口ワールドの真骨頂です。
意外なドラマ性
「ただ汚いだけの映画」かと思いきや、意外にもストーリーには軸があります。 妹をイジメで亡くした主人公のトラウマ。 罪悪感との葛藤。 そして、異形のものたちとの戦いを通じた再生(?)。
ゾンビの設定も独特です。 寄生虫によってゾンビ化するというSF設定があり、ゾンビたちが「ある目的」のために行動している点もユニーク。 単なるパニック映画ではなく、モンスター映画としての骨格も(腐っていますが)ちゃんとあります。
特に後半、驚きの展開が待っています。 「え、そっちに行くの?」という斜め上のラスト。 感動はしませんが、唖然とすることは間違いありません。
音響効果の「悪意」
本作を語る上で外せないのが、音響効果(SE)です。 排泄音、ガスの音、肉が裂ける音。 これらの音が、非常にリアルかつ大音量で流れます。
ヘッドホンでの視聴は自殺行為です。 ASMRの真逆を行く、「不快音のフルコース」。 音響スタッフは、一体どんな気持ちでこの音を調整していたのでしょうか。 「もっと湿り気を!」とか指示が出ていたのでしょうか。 想像するだけで食欲が失せます。
「愛」と「便意」の物語
キャッチコピーに「愛する人を、殺せますか?」ならぬ「愛する人のウンコを、愛せますか?」みたいな問いかけが含まれている気がします。 究極の愛の試金石。
……いや、無理です。 普通の人間には無理です。 でも、この映画の登場人物たちは、その境界線を軽々と(あるいは強制的に)超えていきます。 人間の尊厳とは何か。 恥じらいとは何か。 そんな哲学的なテーマを、汚物にまみれて問いかけてくる怪作です。
結論:混ぜるな危険、観るな危険
はっきり言います。 普通の感性をお持ちの方は、回れ右してください。 『ウォーキング・デッド』のようなゾンビ映画を期待してはいけません。
しかし、あなたがもし、 「常識に囚われた映画に飽きた」 「倫理観のタガが外れた世界を見たい」 「井口昇監督の脳内を覗いてみたい」 という特殊な訓練を受けた猛者であれば、挑戦する価値はあります。
観終わった後、トイレに行くのが少し怖くなるかもしれません。 そして、しばらくカレーは食べられなくなるでしょう。 その覚悟がある方のみ、再生ボタンを押してください。 健闘を祈ります。
作品情報

小林 祐太
TV60編集長。脚本構造と映像技術の分析に基づいた『構造批評』を得意とする。ガジェットレビューでは、スペック数値よりも『生活への定着度』を重視し、最低1ヶ月以上の実使用を経た上での評価を徹底している。
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